詩
一 カタバミ(姉から)
嵐が連れ去った あの人はどこに
幸せになろうと約束したのに
残るのは想い出だけ 切ないよ
二人歩いた遊歩道も 波に流されて
土塊が剥き出しのまま
でもね
カタバミの青い葉っぱが生えてたの
ハートを一杯並べて
あなたを待っているように
カタバミの小さな花が咲きます
あなたを待っているように
カタバミの逞しさを あなたに贈ります
いつかきっと戻ってきてくれますね
二 タンポポ(妹から)
居場所を求めて 離れた故郷
慣れない土地でキビタキが慰める
心の傷はまだ癒えず
染まるに染まれない異郷の町
ネモトシャクナゲの咲かない町
ケヤキ並木が恋しいよ
恋しい故郷の面影探せば
路地裏に咲いたタンポポ一輪
綿毛に乗って行きたい 故郷へ
いつ元に戻る うつくしま
いつ帰れるの うつくしま
穢れた大気は答えない
タンポポのようにどこでも生きるから
いつかきっと帰りたい 故郷へ
三 クロマツ(兄から)
潮風に強いクロマツは 耐えた
潮を浴びて 荒れた大地へ仁王立ち
めひかり漁れたか カモメが問えば
ツツジの花びら風に舞い
空で親父も祝う 初漁猟
妹よ 友達よ 幸せはまだ遠い
妻よ 仲間よ 幸せはまた手にいれる
未来より明日を創る
明日より今日を生きる
今を生きることが永遠と
クロマツが教えてくれたんだ
心安らぐ永遠の時間は来るだろう
いつかきっと